島田荘司とコナン・ドイルは、人間性が似ているのだと思う

JUGEMテーマ:読書

 

 シャーロック・ホームズシリーズと御手洗潔シリーズの類似性について語られることは多いですが、作者であるコナン・ドイルと島田荘司の類似性について語られることはあまりないので、そのことについて思うところを書きます

 

 この日英の両作家は生まれ持った性格や性質が似ていたからこそ、その結果として、生み出したキャラクターの性格やシリーズの趣きが似たものになったのだろうと、私は考えている

 島田荘司がコナン・ドイルから影響を受けているのは確かだが、名探偵のキャラクターを模倣したのではなく、作者のもともとの性格が似ていたために、自然の成り行きとして、作者の分身であり子供とも言えるキャラクターが近しいものになったのだろう

 両者ともに私の好きな作家だが、コナン・ドイルと島田荘司の最大の共通点は、興味の対象にとことん突き進む性格だと私は思っている

 コナン・ドイルは、シャーロック・ホームズシリーズで人気を得て作家として成功したが、彼にとっては推理作家としての成功は不本意で、歴史作家として評価されることを求めていた

 ホームズものを書くのに嫌気が差していたのに、ファンから絶賛されるため、編集者から執筆を促される

 この作者とファンとのギャップが、コナン・ドイルを苦しめた

 そしてついに、ドイルはシャーロック・ホームズの殺害を決意し、モリアーティ教授にその役目を任せた(だが後々、殺したはずのホームズをよみがえらせる羽目になる。ファンがシャーロック・ホームズの死を認めようとしなかったため、その声に抗いきれなくなったのだ)

 コナン・ドイルは、身内の死をきっかけに、小説を書くことよりも心霊主義にのめり込んでいき、シャーロック・ホームズシリーズで得た成功を投げ打つかのようにして、心霊研究の講演に熱を入れて世界のあちこちを飛び回り、著書で心霊主義の持論を展開し、挙句の果てには少女の他愛ない悪戯に見事にだまされ、いもしない妖精を写真に見た

 一方、島田荘司の場合は、ドイルのようにミステリーから離れることはなかったが、興味の対象は、国や国民性に向かい、一時期、日本や日本人について語る著作が増えた

 また両者には、冤罪事件への強い関心という共通点もある。正義感が強く、冤罪を見過ごせないという点も共通していた

 コナン・ドイルは、エダルジ事件(家畜殺害事件)とスレイター事件(強盗殺人事件)において、冤罪を晴らすのに貢献した

 島田荘司は、『三浦和義事件』で、マスコミの注目の的であり、疑惑の中心に立っていた三浦和義を深く掘り下げ、『秋好事件(秋好英明事件)』では、「前科があり、虚言癖があり、ギャンブル好きで金銭にルーズな秋好英明が逆恨みして一家四人の喉を出刃包丁で次々に突いて殺害した」という検察のストーリーに、その著書で反論した

このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサーサイト

このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント