ミステリーのタイトル

JUGEMテーマ:読書

 ミステリーのタイトルで定番中の定番と言えば、やはり「殺人事件」だろう。

「占星術殺人事件」(江戸川乱歩賞応募時は「占星術のマジック」である)、「D坂の殺人事件」、「ABC殺人事件」、「本陣殺人事件」、「絶叫城殺人事件」「黒死館殺人事件」、「刺青殺人事件」、「僧正殺人事件」……。

「〜〜殺人事件」というタイトルのミステリー作品がどれほど多いことか。時間のある人が数えてみれば、その多さに驚くこと間違いなしだろう。

 ミステリーにとって、殺人事件は本命中の本命だ。一番興味深い題材であり、読者の興味を引く犯罪であり、作者としても一番ふくらませやすい素材だ。

 殺人は言うまでもなく大罪であり、人の命を奪うことは許されない。

 だからこそ、殺人事件の謎を解くことは意味深い。たとえフィクションであっても、殺人者を断罪し、死者の無念を晴らすことは意義深い。

「〜〜殺人事件」とあれば、すぐにミステリーだと分かるし、殺人事件の上についている言葉によって、物語も漠然とではあるが想像できる。

 だから「〜〜殺人事件」は、ミステリー好きの読者にとって、書店で手に取りやすいタイトルだ。

「〜〜殺人事件」以外のミステリー作品定番タイトルといえば、「〜〜が多すぎる」だろう。

レックス・スタウトの「料理長が多すぎる」をはじめとして、ランドル・ギャレットの「魔術師が多すぎる」、ポール・ギャリコの「幽霊が多すぎる」、西村京太郎の「名探偵が多すぎる」といった作品がある。

作品のタイトル付けは難しいが、ミステリー好きが高じてミステリー作家になったものとしては、前例に倣ったタイトル付けは、是非ともしてみたいものだろう。

ミステリー作品は星の数ほどあって、そのタイトルには凝ったものがたくさんあるが、その中でも異色なのは、早坂吝の「○○○○○○○○殺人事件」だろう。

 ネットでの検索がしづらいタイトルであるこの作品は、犯人当て(フーダニット)でもなければ、トリック当て(ハウダニット)でもなければ、動機当て(ホワイダニット)でもない。

 この作品は、前代未聞のタイトル当て本格ミステリーなのだ。

 タイトル当てという趣向だけではなく、作品内容に関しても異色作なのは間違いない。一読すれば納得することだろう。

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