ハズレなし珠玉の短編集 横山秀夫『第三の時効』

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横山秀夫の『第三の時効』。

この短編集は、一つとしておもしろくないものがない傑作集だ。

この作品に収録されたすべての短編作品を語ると長くなりすぎるので、表題作だけにとどめておきます。

「第三の時効」。このタイトルを聞いて、作品の結末を見通せる人はまずいないだろう。時効はふつう一つだから、第二のものはまだしも、第三の時効には見当がつかないはずだ。

第二の時効は、犯人が海外渡航したために生じたものだ。

作品の冒頭で、「タクシー運転手殺害事件」の「第一の時効」が成立する。

捜査員たちが追う犯人は、事件後、国外に七日間滞在したために、「第二の時効」と呼べるものが生まれていた。

彼ら捜査員は、犯人が、海外渡航した場合は時効のカウントがストップするということを知らないことに賭けて、犯人の地元で網を張っていた。

時間は刻々と過ぎていき、逮捕の残り時間はみるみる少なくなっていく。

F県警の刑事たちは、「第二時効」が成立したときに、大いに落胆したが、たった一人だけ例外がいた。

皆から「冷血」と陰でささやかれ、恐れられ疎まれている男だった。

彼が突如として現れ、「第三の時効」を武器として、犯人を執拗にいたぶり追い詰めていく。

彼が仕組んだ巧妙な罠に、読者もまた驚愕するだろう。

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